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武藤社会保険労務士事務所
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平成20年4月1日施行の改正パート労働法について
【改正の経緯】
 厚生労働省の平成18年のパートタイム労働者の総合実態調査によると全労働者に対するパート労働者の割合は30.7%で平成13年の調査時の26.5%より4.2%も増加しています。労働者数を見てみますと正社員(平成13年 2930万人 → 平成18年 2586万人)が約344万人の減少でパート労働者(平成13年 1058万人 → 平成18年 1148万人)が約90万人の増加となっております。この数字は企業がこの5年間で正社員からパート労働者への切り替えが進んでいることを表しており、なかには企業において基幹的な役割を担うパート労働者も増えてきております。しかしながら『パート労働者=安い労働力』といった考え方が企業内には根強く仕事や責任は全く正社員と同一でありながら賃金等の待遇が見合っていないパートタイム労働者が働く意欲を失ってしまう現状があります。こうした問題を解消するため、多様な雇用形態ごとに待遇の公正さを確保しそれぞれの意欲や能力を十分に発揮できる労働環境を整備する目的のために法改正が行われます。
(1)労働条件の文書の交付等の義務(パート労働法第6条)

労働基準法第15条の書面での明示義務に加えて以下の事項について
文書の交付等の説明が義務化されました。

◎昇給の有無
◎退職手当の有無
◎賞与の有無

パート労働者だけ労働条件について口頭で済ませる例もありますが後々のトラブルを防ぐためにも労働条件通知書などの書面を必ず準備しましょう。違反の場合10万円以下の過料に処せられます。

(2)待遇の決定にあたって考慮した事項の説明(第13条)

事業主はパートタイム労働者から求められたとき、そのパートタイム労働者の待遇を決定するにあたって考慮した事項を説明しなければなりません。

説明義務のある事項(一部)

労働条件に関する文書の交付等、就業規則の作成手続き、待遇の差別的取扱いの禁止、賃金の決定方法など

(3)差別的取扱いの禁止(第8条)

後述します3つの要件に該当するパート労働者については通常の労働者と差別的な取り扱いをすることが禁止されます。

①職務の内容が同一であること
業務内容やその業務に対する責任の程度が同じであることです。例えば正社員と同様に売り場に立ち、レジ打ちその他の業務が全く一緒であるパート労働者が該当します。

②人材活用の仕組みや運用などが同一であること
これは転勤や人事異動などの仕組みに注目します。正社員もパートも転勤がなく、人事異動による配置換え等もない場合は同一とみなします。

③雇用契約期間が同一であること
パート労働者だけが1年契約などの有期雇用契約であっても単に契約書の書き換えのみを行っている等いわゆる『契約期間が実質的に無期契約』状態のパート労働者はこれに該当します。

(4)通常の労働者への転換の推進(第12条)

企業はパート労働者が通常の労働者への転換を推進するために下記のいずれかの措置をとらなければなりません。

①募集条件の周知
正社員を募集するときは掲示などによりパート労働者にも応募の機会を与える。

②希望申し出の機会を与える
正社員を新たな部署に配置する場合にその部署への配置に希望を申し出る機会を与える。

③正社員への転換制度
一定の資格を有するパート労働者を対象にした正社員への採用制度を設ける。